1人アリアンロッド/第4話・失われた鍵(その5)
ワイトの攻撃。
クリティカル!命中×5!
ダメージはプロテクションを2回張って合計10点。残りHPは16。
このままではジリ貧だ。MPも残り少ない。しかし…
機を待て。慌てるな。
今の状況が不運が重なって起こったものであるか、それとも。意外と何度やってもこのような結果になるものなのかは、厳密に計算してみないと分からないが……今は前者であることを信じるしかない。
サクノシンの行動は《ヒール》。HPを14点回復。
サクノシンHP:30 MP:6 フェイト:2
ワイトA・HP:39
ワイトB・HP:39
ワイトC・HP:39
▼第4ラウンド
ワイトの攻撃。
命中!命中!命中!命中!命中!
ダメージはプロテクション無しで0,2,3,1,4。
そして最後の6発目。
もはや勝利を確信したワイトCの左手の剣が、サクノシンに振り下ろされる。
そのとき、サクノシンの口元がふと、笑った。
「そいつだ。そいつに《ストライクバック》だ」
第2ラウンドからずっと狙っていた「機」。
それは《ストライクバック》のタイミングである。
《ストライクバック》とは、要は
相手の命中判定に対して、回避判定の代わりに命中判定で対決を行い、対決に勝利すれば成功する。
適正な強さのエネミーの攻撃に対してシーフ以外ではほとんど回避の見込みの無いアリアンロッドにおいて、これは純粋に強力なスキルであると言ってよい。サムライ最強伝説を裏付けるスキルの1つである。
ただ問題は、こちらの命中判定で、相手の命中判定の達成値に勝たなくてはならないということだ。
ワイトの命中判定は8+3D6、対するサクノシンの命中判定は《フェイス:ゴヴァノン》で+1されていて、6+3D6。
《ストライクバック》の使用にMPを5点消費してしまうことを考えると、失敗は許されない。
だが、何の因果かワイトの命中判定の3D6の出目がすべて10以上だったため、使うタイミングを逸していたのだ。
とは言え、これ以上はもう待てない。
ワイトCの二発目の攻撃の出目が8。このままでは62.5%の確率でしか勝利できないが、
サクノシンは《ギフト》の使用を宣言!
《ストライクバック》による命中判定のダイスを2個増加する。
1シナリオに1回しか使えない《ギフト》、なるべく温存しておきたかったのだが、これに失敗たらもはや先はない。
6+5D6で目標値16。
如何に出目に不自由しているとは言え、さすがにこれには成功。
ダメージロールは《ストライクバック》のレベルがダイス数に足されて、7+5D6。
例によって出目が奮わず、ワイトの魔法防御力2を引いて、与えたダメージは18点。
対するワイトからのダメージは1点。
サクノシンの行動は「MPポーションを飲む」。
出目はやはり奮わず、MPを5点回復。
サクノシンHP:19 MP:6 フェイト:2
ワイトA・HP:39
ワイトB・HP:39
ワイトC・HP:21