ダブルクロスのシステムに怒ってみる
どっちかというと、人間との戦力バランスにおいては妖魔夜行のほうが、自分の求めてるものに近いんだなぁということに気付いてしまいます。
ぷんぷん、先に進まないじゃないか。
自分はもう少し、何でもいいから最後まで完成させるということをしたほうがいいと思うんですが。
──暗闇の中、キミに向かって発射された銃声は3つ。それは、普通ならば避けようもない至近距離から撃ち込まれた。
だが、キミの動体視力・反応速度は人間のそれから大きくかけ離れている。
まるで時の流れが1/1000の速度にでもなったかのように、キミの瞳は“ゆっくりと飛来する”3発の弾丸を確実に捕らえていた。うち2発を瞳を閉じたまま、首を左右に軽く振ってかわす。遅れてきた最後の1発は、その異形化した右腕で難なくはじき飛ばした。
ダブルクロス1stの42ページにある「『ダブルクロス』が描く世界」からの抜粋です。
こういうの見ると、「いいなぁこういうの」と思うと同時に、理屈を考え始めてしまうんですね。
まず、このキャラクターは「超人的な動体視力」と「超人的な反応速度」をシンドロームの効果によって得ているんだな、と。
するとシンドロームは何だろう。「超人的な反応速度」は絶対ハヌマーン。それっぽいエフェクトは……ない。
《見切り》……うーん、ちょいと拡大解釈しても、どっちかってと「超人的な動体視力」のほうだよなぁ。
で、行き着く結論は──こんなキャラ、このシステムじゃできねぇじゃん。
つーかそもそも、ハヌマーンのシンドロームを持たないキャラクターがどうやって銃弾を「回避」するんだ?とか思うわけですよ。
いや回避すること自体は銃口の向きから推測してとか、動き回って相手の命中率を下げる行為を回避判定で表現しているだけだとか、いろいろ理屈は立つのですが……そういうこっちゃなくて。
なんか「オーヴァードだから」っていうそれだけで普通の人間ができないことを当然できるみたいなのが、なんだかなぁと思うという話で。
「普通の人間」+「レネゲイドウィルスによって与えられた超人的能力」=「オーヴァード」なわけであって、それ以上じゃないはずだと思うんですよ。
で、「レネゲイドウィルスによって与えられた超人的能力」は何かって言うと、《リザレクト》《ワーディング》は共通項として、それ以外はシンドロームによりエフェクトとして与えられたものだけ、でないとおかしい。
おかしい、というか、自分のキャラクターや他のキャラクターが「何ができるか」をイメージする基準がなくなってしまうわけで。
プレイヤーが思いついたことが「超人だから」何でもできるなんていうのなら、折角の世界観ぶっ壊しもいいとこだし、そりゃもうだるいからルールなんかないほうがいい。
……げふんげふん。
な、なんかね、FEARさん全般的にそうなんですが、こういうなんだかやる気のないシステムって、素敵な世界観に対する冒涜のような気がしません?
もっとその世界観をより忠実に表現する努力だとかをしてほしいんですよ。
もちろんディフォルメや記号化が駄目だと言っているんじゃなくて。
おいら絶賛のガンドッグだって「必要な」ディフォルメはたくさんしています。
例えばガンドッグでは銃弾は基本的に回避不能ですが、上に挙げたように、防御側が回避能力(敏捷性であるとか)が一切反映されないとするのは、逆に現実的でないはず。
でもシステム上で回避行動を行えることにしてしまうと、このゲームで最も表現したい銃撃戦の雰囲気が損なわれてしまうのではないか、と判断したから、ガンドッグでは回避行動を行えないというディフォルメを採用した……んじゃないかと思うわけで。
ところでダブルクロスのPCってこれどうやったら死ぬんですか?
《リザレクト》がある限り絶対死なない気がするんですけども。
追想。
実際のところ、時の流れが1/1000になるような超人的な動体視力と、その超知覚に十分対応できるだけの超人的な肉体速度があったら、銃弾の回避に判定は必要ないだろうなぁ。
銃弾って、ハンドガンで初速200~500m/秒、ライフルでも初速1000m/秒もあれば上等なんだから、1/1000したら0.2~1m/秒くらい。
1m/秒って人がゆっくりめに歩くぐらいの速度だから、よっぽど至近から撃たれたのでなければ、避けるのもアホらしいくらい……。
1/100だったら、人が全力ダッシュして来るぐらいのスピードで飛んでくるんだから、ちょっと頑張らないと当たってしまう、かな。