[TRPG論考]シーフを考える(1)
じゃあ、「シーフらしいシーフ」は本当に面白いのか?という疑念が僕の脳裏に浮上しました。
ここではシーフらしいシーフの代表的な行為の1つとして、「罠探知」と「罠解除」、そしてゲームによってはそれらと近い立ち位置に設定されている「捜索」と「鍵開け」について考えてみたいと思います。
まず頭ごなしに言うと、これらの行為は「面白くない」シーフ要素の筆頭だと思います。
罠探知/解除については、今日のTRPG事情の下では、少なくとも以下の4つの致命的な欠陥を備えていると言えます。
1.戦闘などと異なり、パーティメンバーが共同して行なう行為ではない。シーフがこれらの行為を行なっている間、他のプレイヤーはそれを見守るだけ。
2.ダンジョンシナリオでないとなかなか出番が少ないが、ロールプレイや物語重視のシナリオが好まれる昨今、ダンジョンシナリオそのものが廃れている。
3.扉を見つけるたび、部屋に入るたび、宝箱があるたび罠探知/解除をするという「作業」がそもそも面白いのか。結局のところ、プレイヤーの知的判断によって回避できる罠のほうが「面白い」という問題。
4.回復魔法が低コストで、罠にせよモンスターにせよ即死可能性があるような脅威は「良くない」とされる今日のファンタジーRPGでは、静的な状況で罠に引っかかっても、実際のところ大したダメージにはならない、という問題。
つまり、ダンジョンに普通に罠が置かれているだけでは、罠探知/解除というシーフのアクションは面白くないのです。
これらの問題のいくつかを解決するためには、1つの冴えた方法があります。
それは、罠を静的な状態で配置するのではなく、戦闘などのアクションシーンに組み合わせて配置する、という方法です。
その罠を解除しないと戦闘が著しく不利になる、というような状況にするわけです。
「鍵開け」や「捜索」についても同じことが言えると思います。
例えば、パーティがトロールの群れから逃げているときに、目の前には鍵の掛かった扉が……。戦士たちが恐るべきモンスターの群れを抑えている間に、一刻も早くこの扉を開けなければならない──というような状況ならば、鍵開け判定1つ取ってもスリルとサスペンスに満ちた面白い行為になりえるでしょう。
結論:「罠探知」「罠解除」「鍵開け」「捜索」はアクションシーンに組み込む。
そうしないと、これらの行為はゲームがダレる原因になる、面白くない作業になってしまうように思います。
……まあ、古強者のGMたちにとっては何を今更、という話ではあるのでしょうが。

