[ゲーム創作]なぜTRPGではいけないのか
僕は常々、TRPGのゲーム性に不満を持ち続けてきた。
いや、不満というと少しイメージが違う気がする。
どちらかというと「もったいない」と思う気持ちに近いのかもしれない。
本質的にそれに不満があるなら、不満を持つ以前にそれ自体に興味を持たない。
よく言う話だが、TRPGという遊びは、「ゲーム」の名を冠しながら、「ゲーム」であることに適していない。
勝敗を競うゲームではない。
どちらかというとプレイヤーサイドが勝つことが予定された遊びであり、どちらかというとそのように遊ぶほうが適切だ。
例えばアリアンロッドRPGというゲームは、強いキャラクターを作成することがとても楽しいゲームである。
そのキャラクターを使って遊べるのが楽しいゲームである。
遊んだらそのキャラクターを成長させることができ、それがとても楽しいゲームである。
でも気付いている。
強いキャラクターを作っても、どうせそれを見てGMがバランス調整をするんだから、意味ないじゃないか。
でも気付いている。
本質的な対戦相手はモンスターではない。
その強さを競うという意味で、他のプレイヤーの作った味方キャラクターこそが、本質的な対戦相手なのだと。
GMによる後付けのバランス調整が行なわれず(かつ緊張感があり)、建前上も他のプレイヤーを対戦相手とし、公平なルールの下できっちり勝敗のつく、俺Tueeee!!好きのためのTRPG、ロールプレイパート抜き。
その着地点を見直したとき、それはTRPGではなかった。
これがこのゲームを作ろうと思った発想の原点である。確か。
ちなみにARAサガリプレイ4巻みたいな直接的なPKを目的とするPvPでないのは、そうするべきだと思ったからだ。
直接的なPKを目的としたPvPは、どうしてもキャラクター作成がメタゲームになりがちで、それがやりたいわけではないのだ。
ある程度の「肩すかし」は必要なのだと思った。
その結果として、プレイヤーの目的・視線が他のプレイヤーに直接向いていないゲームができてしまったのは、こうして考えてみれば当然といえば当然なのだった。
ドッヂボールやサッカーやバドミントンや卓球よりも、ボーリングやダーツやゴルフや陸上競技に近い。対戦ゲームであるよりも、自分の成果を競うゲーム。
しかしこうして頭の中を整理して書きだしてみると、これもっと早く書いていれば議論のすれ違いがもっと大幅に減ってたんじゃねぇかなって思う。
自分が強烈にこだわっている部分の理由がよくわかるもんなー……