ブログトップ

Stray thoughts

ikapon.exblog.jp

随想。あるいは道に迷った思考。

カテゴリ:世界樹の迷宮( 50 )

 ちょっと世界樹SRSのクラス補正の1Lvあたりの平均値とってみた。

 平均……各クラスのクラス補正を戦闘値ごとに(30Lv値-1Lv値)÷29して1Lvごとの平均値を算出、その値の9クラス平均値
 1Lv目……1Lv目取得時のクラス補正の9クラス平均値

     平均 1Lv目
 命中 0.65 1.11
 回避 0.58 0.55
 魔導 0.61 0.67
 抗魔 0.63 0.33
 行動 0.99 1.11
 耐久 2.52 2.44
 精神 2.62 2.00
 攻撃 0.90 0.77

 考察)
 ・1Lv目取得とその後1Lvごとの成長値はトータル的に見てほぼ同程度の値に設定してある。
 ・命中、回避、魔導、抗魔は16Lv成長で+10
 ・行動と攻撃は16Lv成長で+15
 ・耐久と精神は16Lv成長で+40 

 ……とか何とか適当ぶっこいてみた。
 でもこの補正値表作るの、ソードワールドのレーティング表作るのと同じぐらいに技術いるよなぁ。
[PR]
by ikapon24 | 2010-04-29 01:33 | 世界樹の迷宮
■スキル
・パラディンスキル
 《盾マスタリー》:6
 《フロントガード》:1
 《バックガード》:1
 《全力逃走》:1

・汎用スキル
 《TPブースト》:3
 《STRブースト》:3
 《VITブースト》:1
 《修練の極み:命中》:1
 《ガーディアンハート》:1

■アイテム
 装備:アスピス、レザージャーキン、レザーグローブ、木彫りの髪飾り
 消費アイテム:メディカ×1
 所持金:225en

■戦闘値
 【命中値】:10
 【回避値】:7
 【術式値】:6
 【抗術値】:6
 【行動値】:11
 【耐久力】:41
 【精神力】:29
 【攻撃力】:刺+10
 【防御修正】:斬18/刺15/殴16/炎0/氷0/雷0


 こんなん出ましたけどー。
[PR]
by ikapon24 | 2010-04-13 02:24 | 世界樹の迷宮
 やっぱ原作と同様にエンカウントゲージが溜まる形式にするべきだと思うんだ。
 タイルを1個歩くとゲージが1d6増加、一定値に達するとモンスターと遭遇、みたいな。
 毎回毎回確率勝負となると、運による偏りが大きくなりすぎる。

 あともちろん戦闘回数20回とか30回とかは異常。
 敵が弱すぎてかったるいだけなんだが、強くしたらしたで色々と無理っぽい。
 敵のレベルを2倍にして、遭遇率を半分にすればいいとか言ったけど、それでもきっと無理だ。
 それなりの戦闘を10~15回もしたら、プレイ時間も疲労も大変なことになる。

 アリアンロッドだと、クライマックス戦闘込み2~4戦闘程度が適切。
 世界樹SRSは簡易戦闘ルールのおかげでそれより若干戦闘が多くても回ると考えても、クライマックス込み戦闘回数5~8回程度が関の山だろう。

 付属シナリオを例に取ると、くまなく回って30~40歩ぐらい歩くことになると思う。
 1タイルで1d6=3.5ゲージ溜まり、35歩で雑魚戦が5.5回発生するとすると、ゲージが22ぐらい溜まると戦闘が発生するようにすればいい。
 場所によってエンカウントゲージが2d6溜まるタイルとかも用意すると、25ゲージぐらいが目安になるだろうか。
 そのタイルを初めて歩くときはゲージ累積2倍、とかあってもいいかもしれない。その場合は50ゲージ遭遇。

 モンスターとのエンカウントパターンは、ダンジョンの浅いところで2~3パターン、深いところで2~3パターンぐらい作っておく。
 まだ遭遇していないパターンから順にエンカウントしていって、全部のパターンと遭遇しきっていたらランダムで遭遇するようにすればいいと思う。


 問題はいくつかあって、パッと思いつくのが獲得経験値と、素材獲得数による装備品出現パターンの計算がデザイナーの想定から崩れること。
 獲得経験値はクエスト達成経験点みたいなものでカバーすればいいと思う。
 素材獲得数は、表の数字自体を弄るか、そもそもこのルールを使用しない方向でいったほうがいい気がする。

 ……まあ、そんなことをつらつら考えています。
[PR]
by ikapon24 | 2010-04-12 16:00 | 世界樹の迷宮
 「なっ……アーニャ!?」
 「ほぇ、レミィ?」

 場所は鋼の棘魚亭。
 先ほどは用事があるとのことで別行動をしていたレミィは、新人バードのアーニャとここで初めて顔を合わせることになった。

 ……はずなのだけど。

 「え、2人とも知り合い?」
 僕が聞くと、レミィはとても渋い顔をする。
 「……うむ。大変に遺憾なのだが、あのぽんぽこぴーなお気楽バードとは旧知の仲だ。いわゆる、幼馴染みだな」
 「…ぽ、ぽんぽこぴー?」

 なんだか、レミィの口から出たのが信じられないような言葉の羅列が並んでいるぞ。

 「へ? じゃあ、ウィルくんのパーティの最後の1人ってレミィなの? ほえ~…」
 アーニャのほうも驚いている様子だ。

 「そっかー…。うん、やっぱりボクとレミィって運命の赤い糸で結ばれてるんだ。ね、そう思わないレミィ?」
 「全然、まったく思わないな」

 すごい、真正面から突っぱねた。

 「もう、レミィってば相変わらずテレ屋さんなんだからぁ♪」
 「ウィル、あれの言うことは85%まで無視して構わないぞ。可哀想なことに、頭の中が万年春なんだ」

 え、えっと…

 「うう、レミィちゃんが冷たいよ……絶対零度だよ……85%とかリアリティあふれた数字を出さないでほしいんだよ…」
 るー、るーと涙を流すアーニャ。
 すごいな、レミィが闘牛士のようだ。



 とか思っていたら、ふとアーニャが、何かに思い至ったかのように手をぽむっとついた。
 「あ、そっか。てことはレミィがよく話してた想いび…」


 ──きゅっ。


 そのときのレミィの動きは、重装のパラディンとは思えないほど俊敏だった。
 残像を残さんばかりの流麗な動きで一瞬にしてアーニャの背後に回りこみ、気がついたときには、とても見事なチョークスリーパーが決まっていた。そして、

 「…ねぇ、アーニャ……アーニャは、これからの樹海ライフを平穏に送りたいとは思わない?」
 何やら不穏な言葉を紡ぎだすレミィの声は、かつて聞いたことのないような冷たい声だった。

 「ちょっ、レミィ! チョークはやばっ…、首入ってるっ…、けほっ、けほっ…」
 「うん、そうだね……アーニャなら、私の今の気持ち、分かってくれるよね…?」
 「ほ、本気の殺意ですね、分かります! もう口に出しません胸の奥底にしまいます絶対ですだからストッ、ストップ…」
 「そう……約束だよ…?」

 ぱっ。

 レミィから解放され、アーニャはしゃがみこんでガタガタと震える。
 一方のレミィは、すまし顔で衣服の乱れなどを整え…
 
 次の瞬間、さっと血の気が引いたような顔になった。
 「ち、違うんだウィル! これは、その、あの、いわゆるスキンシップというやつで……なっ、アーニャ?」
 振られたアーニャはびくんと機械仕掛けのように跳ね起きて、
 「はっ、はい! もちろんスキンシップであります! スキンシップ楽しいなー、るんるん」
 などと小躍りしてみたりして。


 えっと…




 …頑張れ、僕。
[PR]
by ikapon24 | 2008-05-19 01:55 | 世界樹の迷宮
 パーティとしての属性攻撃力をアップするために、プランはいくつか考えた。
 例えば、僕のサンダーショットのレベルを上げまくるだとか、オイル買い溜め作戦だとか、パメラのトラッピングⅡで対応するだとか、云々。
 けど、結局これが一番根本的な解決策だろうなということで、

 「…というわけで、今日から一緒に冒険してもらうことになったバードのアーニャちゃん」

 新メンバー投入、ということになった。
 ちなみにここにいるのはパメラ、ラフィニア、僕、それと新人の子の4人。
 レミィはちょっと用事があるとかでこの場にはいない。
 で、もう1人のセトが…

 「ふむ。それでセトが離脱というわけかの」
 「うん。本当は、僕が抜けてアルケミストを入れるのがベストかなと思ったんだけど、セトに相談したら、女性陣から総出で反対されるからやめとけって」
 「まあ、そんなのは当然却下じゃな」
 「もちろん、そんなのダメに決まってるじゃん」

 うん、セト大当たり。

 「…やっぱり? 一応曲がりなりにもギルドマスターなんだから、抜けちゃまずいか」
 「ま、そういうことにしておくかの」
 「…? …まあいいや。それじゃアーニャ、挨拶よろしく」
 「はーい♪」

 促されて、僕の後ろからひょこと前に出る褐色肌の少女。
 両手のカスタネットをコンコンと鳴らして、

 「どもー♪ このたび、酒場でウィルくんにたらしこまれてギルドメンバーに混ぜてもらうことになりました、バードのアーニャです。よろしくお願いしまうまっ♪」



 ──ぴきっ。



 瞬間、空気が氷結した。



 ……まあ、僕が女の子をたらしこむなんて器用な真似ができる人間じゃないのは2人とも分かってるだろうからいいとして。
 いきなり、しまうまはまずいだろう、さすがに…

 「あにゃ? どしたん?」
 当のアーニャはきょとんとした様子。

 「…ウィル、言っても無駄じゃろうが、一言、お主に言っておきたいことがあるのじゃが」
 「…はい、何でしょうか」

 どうやらラフィニアさんはとても御不満な様子で…

 「次から次とたらしこむでない、このナチュラルボーンスケコマシ」
 「はい、ラフィニアさんのおっしゃりたいことは大変よく分かります。しかし当方としましても、人選にはこれでもベストを尽くした次第で……え?」


 ……。


 ……は?


 「そ、そっちかよ! あのね、僕はそんなことしてないし、だいたい次から次って…」

 僕が抗弁しようとすると、横にいるアーニャが身をくねらせて、
 「あのときのウィルくんってば凄かったんだから。ボクの肩にそっと手を置いて……ぽっ」

 ……おいこら。

 「ええっ!? 何、どういうことウィル!?」
 「…パメラも信じないで。そしていい加減、適当な話を捏造するのはやめてくれないかアーニャ」
 「てへ。だってボクってエンターテイナーだし♪」

 ……いかん、冒険始める前から頭が痛くなってきた。
[PR]
by ikapon24 | 2008-05-10 00:26 | 世界樹の迷宮
 カランカラン。

 「あらお帰り……って、どうしたんだいアンタたち、そんなになっちゃって」
 フロースの宿の女将さんは、僕たちの姿を見て目を丸くする。

 宿へと帰ってきた僕たちは、全員、まさに満身創痍の状態だった。
 特にラフィニアは、今でこそ自分の足で歩いているが、先ほど薬泉院で治療してもらうまでは僕が背負って連れていたぐらいだ。

 で、宿に着いたところで、僕も糸が切れた。
 女将さんに宿の手配をするのも忘れて、その場にへたり込む。
 それはみんな同じようで、次々にその場に崩れ落ち、パメラに至っては瞳いっぱいに涙をためて今にも泣き出しそうな顔でこっちを見て……って、うわっ!

 「ふえぇぇん、怖かったよウィル~!」

 本当に泣きながら僕のほうに飛びついてきた。
 僕も今の力の抜けた状態じゃそれを支えきれず、後ろに倒れ…ってこの体勢はやばいって!

 …まあ、パメラのことだから、僕が考えているような他意があるわけもなく。
 いや、こんな宿の入り口で他意があってこんな状態だったらそれはそれで怖いけど。

 けど、それも勝手知ったる僕たちだからこその認識であって。
 えぐえぐと子供のように泣きじゃくるパメラの頭を撫で、なだめる僕に、女将さんは呆れ顔で言うのだった。

 「うちはいかがわしい宿じゃないんでね。そういうのはせめて、部屋に行ってから目立たないようにやってくれないかい?」

 ……はい、すみません。


------------------------------------


 時は変わって翌日。場所も変わって鋼の棘魚亭。
 お風呂に入って、おいしいご飯を食べて、一晩ぐっすり休んで、さっぱりとリフレッシュした僕たちはミッションの報告で酒場に来ていた。

 「で、なんか酷い目に遭ったんだって?」

 オヤジさんは僕たちに1杯ずつ好きなものを奢ると、土産話を要求してきた。

 「ええ、うっかりFOEに遭遇してしまって…」


------------------------------------


 正直に言って、油断していたというのはある。

 キマイラをあまりに呆気なく倒し、常緋の階層に入って遭遇するモンスターも拍子抜けするぐらい弱かった。
 現段階において──こういうのも変な話だが──僕たちは強くなりすぎているのだと思った。
 だから、そのハロウィン的な飛びカボチャにうっかりぶつかってしまったときも、初めて遭遇するFOEとは言え、十分に余裕を持って対処できるであろうと踏んでいた。

 その数量的な戦力差予測自体は、実際のところ、おおよそ間違えていなかったと思う。
 そのカボチャの攻撃は、確かに強烈ではあったが、致命的な何かが発生するレベルのものではなかった。

 けれど、そこには明らかな誤算があった。
 そいつには、物理的な攻撃が、致命的なまでに通用しなかったのだ。
 
 実質、まともにダメージを与えられるのは僕のサンダーショットしかなく。
 背に腹は代えられないと、術式の起動符やら何やら、魔法ダメージを与えられそうなアイテムをとにかく大盤振る舞いで使いまくった。

 それらのアイテムも切れ、頼みはサンダーショットのみとなり、遂にはラフィニアの回復魔法も打ち止めとなった。
 一瞬、逃走という選択肢が頭を過ぎる。

 しかしそのときには、もうカボチャのほうもへろへろだった。
 あとサンダーショット1発で落とせるんじゃないか、あるいは2発なら確実……そんな感じ。

 対するこちらは、回復魔法が尽きたとはいえ、全員ほぼ全快状態。
 攻撃を1発受けたところで、誰かが倒れることは100%ありえない。
 仮に2発目を貰ったとして、おそらくは大丈夫。まして全滅までは至るはずもない。

 これだけ色々使いまくって、今更逃げを打つ選択は、ない。
 そう判断して、なお攻勢に出ることにした、のだが…


------------------------------------


 「まさか、あそこでサンダーショットを外すとは、のぅ?」

 ぐさり。
 ラフィニアの言葉が僕の胸をえぐる。

 「しかも2発連続」

 クリティカルヒット!( つД`)

 「さらにはそれでサンダーショットが打ち止めで、結局、死にそうになりながら皆で必死に逃げてくるなんてことになろうとは」
 「その……正直ごめんなさい」

 本当に、まったく…。
 背後にとても運の悪い何かでも憑いているんじゃないか?

 「はっはっは、なるほどな。まあいいじゃねぇか、こうしてみんな生きてるんだしよ」
 「うむ、オヤジ殿の言うとおり。それに過ぎたことを悔いても仕方がない。今後どうするかを考えるほうが、よほど有益だろう」

 オヤジさんの言葉を受けてレミィが言う。

 そうなんだよなぁ…
 今回の件で、僕たちのパーティに属性攻撃力が不足していることが明白に見えてしまったんだけど、どうしたものか。

 ううむ…
[PR]
by ikapon24 | 2008-05-07 00:58 | 世界樹の迷宮
 僕たちは樹海磁軸を使い、6階の探索を開始した。
 その矢先のことだった。

 「きゃあっ!」

 先頭を歩いていたレミィが、突然悲鳴をあげた。
 見ると、何か獣のようなものが、レミィの目の前からもの凄いすばしっこさで逃げ去って行くのが見えた。

 「あれじゃない? 酒場で言ってた、逃げ回る獣って」

 パメラが言う。

 「そうかも、追いかけてみようか。レミィ、大丈夫?」
 「あ、いや、その……申し訳ない」

 そんなわけで、僕たちは初めて歩く紅葉の地を、謎の獣を追いかけながら探索することになった。
 初めて出会うモンスターを次々と撃破しながら追いかけ続け、T字路を曲がったところで、

 ……ぞくりと、寒気がした。
 背後を振り向くと、そこには新手のFOEがいた。

 「そんな、さっきまで何もいなかったのに!」
 「ちっ、やっぱ罠かよ!」

 慌てて武器を構える僕たち。しかし…

 その新手は、僕たちのことはまるで知らん振りで、明後日の方向に進んでいってしまった。
 な、なんだったんだろう、あれは…
 


 そのまましばらく、その逃げる獣を追いかけ続けた僕たちだったが…
 あるとき、そいつは突如、思いがけない行動に出た。

 ずっと僕たちから逃げるように移動していたそいつが、くるりと振り返ったかと思うと、急にこちらに向かって突撃してきたのだ。

 「えっ!? ど、ど、どゆこと!?」
 「ウィル、どうするのじゃ、戦うか?」

 む、ここまで逃げてきたのはこっちを油断させるための罠だったとか…?
 いつの間にか別のヤツと入れ替わったとか、あるいは仲間と合流したか、それとも…



 ……あ。



 「戦おう。大丈夫、罠じゃないよ、きっと」

 僕はみんなに言って、銃を構えた。




 結果として、それは罠でもなんでもなく、僕たちはそいつを仕留めて皮を獲得することに成功したのだった。
 
 「しかし、どういうことじゃウィル?」

 ラフィニアが聞いてくる。

 「うん、この道の奥、見てみてよ」
 「奥って? アイテムポイントがあるだけで、ただの行き止まり……あ」

 そう、ネタが分かってしまえば単純な話で。
 こいつにはもう、逃げ道がなくなったというだけのことだった。
 今日はじめて探索する僕たちよりも、よっぽど、ここの地理には詳しいだろうに…

 「…間抜けじゃな。こんなのを捕まえられなかったという連中もじゃが」
 「まあね。けど、あそこで逃げていたら、僕たちも間抜けの仲間入りだったんだから、人のことは言えないけど」

 
[PR]
by ikapon24 | 2008-03-24 12:26 | 世界樹の迷宮
 僕たちはその後、4階を1日で突破し、次の1日で5階をほぼ踏破(ラフレシアに普通に遭遇したのには驚いたけど…)
 さらに月の涙や青い花を見つけ、3日間4階で狩りをしたり、1階の襲撃者を倒したり、自信が付いたところでこれまで出会ったFOEすべてと戦ったりもした。
 そして、


 ずずーん…!


 魔獣の王と呼ばれたキマイラは、僕たちの一斉攻撃の前に呆気なく倒れたのだった。
 いざ戦ってみれば、誰1人として傷付かない、完全勝利だった。



 「ふむ、3階のカマキリのほうが強かったかもしれんの」

 誰にともなくラフィニアが言う。
 そのとき、


 アオォォォン…!


 どこか遠くから、獣の遠吠えが聞こえてきた気がした。

 「…クロガネの声、だよね。ウィル、行ってみない?」

 パメラの言葉に、僕は頷く。



 クロガネのところに行くと、彼は僕たちに「信頼の首輪」を渡し、そして静かに、その場に横たわった。

 「…うそ、死んじゃったの?」

 パメラが泣きそうな声でつぶやく。
 それに答える者はおらず──彼女もまた、僕たちに倣い、クロガネの前に膝をついて冥福を祈った。

 しばらくして、最初に立ち上がり、口火を切ったのもパメラだった。

 「あ、あのさ、なんて言ったっけあの人……フロース・ガルさん? あの人はどうしたんだろ」

 それに答えたのはラフィニアで、

 「さての。どこかで生きているやもしれぬし、あるいはすでにキマイラに喰われておるのかもしれん。考えても詮無いことじゃ」
 「むぅ、ラフィちゃん、なんか冷たいよ」
 「そうか? わちきはいつもこうじゃがの」




 クロガネのいた場所から発った僕たちは、その後、6階へと足を踏み入れた。

 「うわっ、すごい! まわり全部真っ赤だよ!?」
 「うん、綺麗なものだな…」

 パメラとレミィが感想を述べる。

 階段を上りきった先に僕たちの目に飛び込んできたのは、一面、燃えるような赤い森だった。
 紅葉と言っても、これほどのものとは…

 「ま、今までがずっと緑だったからな。目新しい分綺麗に見えるだろうが、ずっと見ていたらそのうち飽きるだろ」

 後ろからセトがさらりとした口調で言う。
 するとパメラがむーっとした表情で振り返って、
 
 「もう、セトにはロマンってものが分からないかな。もっとこう、素直に感動するとかさー」
 「って言われてもな…。これが性分なんだよ」

 セトはこりゃ参ったというように頭を掻く。



 それから僕たちは、見つけた樹海磁軸を使って街へと戻った。
 樹海磁軸の話は、フロース・ガルさんから教わっていたので、すぐに対応することができた。
 そして僕たちは、フロースの宿で傷付いた体を癒…

 「ああーっ!?」

 各々荷物を持って部屋に向かおうとしていたとき、僕は大声をあげてしまった。

 「な、なんじゃウィル、突然騒々しい」
 「ここ、フロースの宿って……ひょっとしてあのフロース・ガルさんの縁の宿なんじゃ!? フロース・ガルさんって、ここの女将さんの息子さんだとか…」
 「ん…? でも、フロース・ガルでしょ。名前のほうがフロースで、苗字はガルじゃない?」

 ……あれ?

 「ま、いずれ分かることじゃろ。さー、風呂じゃ風呂じゃ」
 「そだね。お風呂、お風呂♪」

 どーでもいいとばかりにサッサと先に行ってしまう2人。
 むぅ、大発見だと思ったのに…。
[PR]
by ikapon24 | 2008-03-24 11:12 | 世界樹の迷宮
 「よし来た、待ってたぜ。何でか知らねぇが、前のがやたら評判が良かったみたいでな。先方から『シルバーハンマーは参加しないのか』って具合でよ」

 鋼の棘魚亭のオヤジさんは、いつもの陽気なノリでそう返した。

 酒場のクエストの中に、「2レベル以上の聖騎士」を条件としている大公宮からの依頼があったから、レミィが行ってくれるという話になり、オヤジさんにその旨を伝えたところの話だ。

 「前の…っていうと、姉さんたちのパーティのときの話ですか」
 「おうよ。そんときは2レベル以上のソードマンってのが条件だったんだがな。引き受けたミシェルってのが、これまたトンでもねぇ女でよぉ」

 オヤジさんはガハハと笑い、

 「見習いの兵士たちに剣を教えてくれって依頼だったんだが、自分は斧の扱い方しか知らないとか言って、ばっちり斧の扱い方を教えてきちまった。こちとらお偉方から何言われるか恐々としてたんだが…」
 「何故か逆に評判がよかった、というわけですか」

 オヤジさんの言葉を受けて、レミィが緊張した面持ちで言う。

 「そうすると、私の前任となるそのソードマンは、そのマイナスを補って余りあるほどの優れた人物だったということでしょうか。私などが後任を勤めてしまって、折角のシルバーハンマーの評判を落とさなければよいのですが…」

 それを聞くとオヤジさんはまたガハハと笑い、
 
 「難しく考えすぎだぜ、嬢ちゃん。もっと気楽に行ってきてくれていいさ。お前さんなら、ミシェルと違って、送り出すこっちも安心だ」
 「うん、それは僕も同意。レミィなら絶対大丈夫、僕が保証する」

 僕がそう言うと、レミィは少し照れた様子で

 「そ、そうか。…うむ、では、行ってくる」

 と、オヤジさんに連れられ、足早に酒場を出て行くのだった。

 ……ありゃりゃ、右手と右足が同時に前に出てる。
 ガチガチに緊張してるなアレは……自分で絶対大丈夫と言っておいて何だけど、ちょっと心配になってきた…
 と、突然、
 
 「ずるーい、レミィばっか」
 「そうじゃそうじゃ、不公平じゃの」

 わぁっ! …びっくりしたぁ。
 レミィを見送る僕の後ろから、突然、パメラとラフィニアが不満げな声をかけてきたのだ。

 「ず、ずるいって、何が?」
 「さて、何がでしょう? 当てたら教えたげる♪」
 「そんな無茶苦茶な!?」
 「無茶苦茶ではない。ウィルが微妙に揺れ動く乙女心を、まるで理解しておらんのが悪い」

 むぅ、そんなこと言われても…
 セトはセトで、後ろでスモークサーモンなんかつまみながら、

 「くっくっく、お前ら見てると飽きないな本当」

 とか言ってるし。
 あ、ダメだ、この包囲網は破れない気がする…








 レミィとオヤジさんが戻ってきたときには、僕は棘魚亭の隅っこで、なんだかとても小さくなっていた。

 「あ、レミィ、どうだった?」

 助け舟が来た、とばかりにレミィのほうに向かう僕。

 「うむ、街の外に出没するモンスターを退治に行くという任務だった。私は…聖騎士としての責務は、どうにか果たせたと思う」

 レミィが言う。
 すると、横にいたオヤジさんが、

 「はっはっ、よく言うぜ。こいつ1人で仲間は守るわ敵はなぎ倒すわ、獅子奮迅の活躍だったらしいぜ。仕舞いには、結構な高給と地位を約束するから大公宮で勤めないかってスカウトされちまったぐらいだ」

 ええっ!?
 それは困る。レミィがいなくなるなんて、そんなことになったら…

 「オヤジ殿!? その話は…!」
 「いいじゃねぇか。断ったんだろ?」
 「それは、そうですが…」

 ほっ、なんだ、そうなのか…

 「でも、どうして断ったの? そりゃ、レミィに残ってもらえたら僕たちは嬉しいけど、冒険者をやるのなんかより、そっちのほうがよっぽど境遇はいいと思うんだけど。それに、レミィだったら、公宮勤めでも十分やっていけると思うし…」

 僕がそう聞くと、レミィは慌てた様子で、

 「い、いや、それは……その……ウィルたちと一緒に冒険をするほうが、私のやりたいことだったから、というのでは駄目か…?」

 最後はもう何か消え入りそうな声で言う。
 うわ、なんだろう、それは……嬉しいというか、光栄な話だなぁ。
 あるいはこう見えて、レミィは意外に好奇心や冒険心が強いということなのかもしれないけど、でも、

 「そっか、ありがとうレミィ。これからもよろしくね」

 僕はグローブを外し、手を差し出した。
 僕たちと一緒に冒険を続けることを選んでくれたレミィに、感謝の気持ちをこめて。

 「う、うむ。改めて、よろしく頼む」

 レミィもガントレットを外して、僕の手をとり、握手をしてくれた。



 ちなみにその後、何故か僕はまた、パメラとラフィニアから責められることになった。
 むぅ、納得いかないぞ。何故なんだ…
[PR]
by ikapon24 | 2008-03-08 02:41 | 世界樹の迷宮
 パメラの誘いの足音でFOEを誘い出し、僕の威嚇射撃で動きを止める。
 その隙に、元々FOEがいた横道に進入してその先を調べると、少し行った先、行き止まりの部屋で1人の衛士が生き残っていた。
 抜け道を教えると、彼は一足先にハイ・ラガードの公宮に戻ると言って去っていった。

 「あの衛士の人も、アリアドネの糸を持っていれば良かったのにね」

 衛士が去っていったのを確認して、パメラが言う。
 それにラフィニアが頷き、

 「そうじゃの。…というか、大丈夫なのかの?」
 「え、大丈夫って、何が」
 「アリアドネの糸がないということは、歩いて街まで帰らなければならんわけじゃが、…1人で」

 あ。

 「…まあ、エリート部隊って言ってたし、きっと大丈夫なんじゃないかな」
 


 その後、街に戻って公宮を訪ねてみると、件の衛士は普通に戻ってきて事の顛末の報告をしたのだそうだ。

 下手するとあの人、今の僕たちの1人1人より、ずっと強かったんじゃなかろうか…
[PR]
by ikapon24 | 2008-03-07 14:08 | 世界樹の迷宮