[世界樹の迷宮Ⅱ]ティトの冒険日記6
「オーケー、分かった、もういい。あんたについてくから、皆まで言わなくていい。で、どこ行くって?」
「最初に放っぽり出されたところの左側っていうか北側、まだ行ってないから。もうみんな2レベルだし、大丈夫です」
で、行ってみました御一行様。
宝箱とイベントっぽいものを見つけて、入り口まで戻ってきました。
「んー? どうしたティト、帰らないの?」
「……まだTPが3残ってるんです。キュア1回分です。入り口のすぐ近くで、あと1回か2回は戦闘いけます」
「……あいよー」
そろーり、そろーり。
入り口付近で敵の出現を待っていると…
「えぅぅっ! 3匹でしかも不意討ち!?」
「やっべぇ! アキラ、キュアが飛ぶまで防御してろ! カイ、守護の舞曲!」
「フリーズショット! ──嘘っ、こんなときに外した!?」
「デスバウンド! げぇっ、マジか、こっちも外した!?」
「キュア間に合ったよ!」
「助かった。私も行く、斬…」
どがぁっ! どごぉっ! どががっ!!
「えっ…」
「アキラぁー!!」
「アキラちゃん!?」
どかばきぼこすか…
■公国薬泉院
アキラがベッドの上で目を覚ますと、いきなりティトががばぁっと抱きついてきました。
「わあぁぁぁん、アキラちゃん、ごめんねっ、ごめんねっ。私が、私が…」
「私は、死んだのか…。いや、ティトの判断ミスではないだろう。私の修行不足だ。情けないな、もっと強くならねば…」
「たったの10enで蘇生できたのは救いだけど、あまり気分のいいものじゃないわね」
「もう無理はしないようにするよー! ごめんね、ごめんねっ…」
自分の胸で泣きじゃくるティトの頭を、アキラは、やさしく撫でてあげました。