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Stray thoughts

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随想。あるいは道に迷った思考。

[TRPG]攻撃魔法と補助魔法のバランス

 どうも世の中、「RPGは補助魔法が強いほうが面白い」という考えがわりと蔓延っているようで、その点について一家言あるので語ってみたいと思う。

 補助魔法が強いほうが面白い……うん、近いけど違う。
 攻撃魔法・補助魔法含め、状況に応じてどの魔法を使うのがもっとも有利になるかを考えるのが楽しいのだ。と思う。

 だから例えば、ある一つの補助魔法が異常に強くて、毎回毎回そればかりを使うのが有利になるようなバランスであれば、そのゲームは(その面だけ見れば)面白くない(さらにカタルシスもない分、ただダメージを与える魔法よりもさらにつまらないと言える)。
 逆にダメージを与える魔法だけでも、戦う相手や状況によって、ヒャドを使うべきか、それともギラを使うべきか、その判断に変化が出るバランスであれば、それは面白いのだ。


 ドラクエⅢにバイキルトという呪文がある。
 この呪文、かなり綱渡り的な方法で、絶妙なバランス調整をしているように思う。
 ご存知の通り、味方1人の通常攻撃のダメージを2倍する呪文なわけだが……

 ここで仮に、元々、戦士と魔法使いが与えるダメージが同程度だったとしよう。
 最強の攻撃魔法がメラミで単体に80点前後、戦士の通常攻撃でも80点前後のダメージを与えるような状況だ。
 このとき、もはや魔法使いには攻撃呪文を使う余地はほとんどなくなる。大抵どんな状況でも、バイキルトを使っておけば間違いないからだ。
 こうなると、魔法使いはただのバイキルト砲台になる(実際、ドラクエⅨの後半はそんな感じだった印象がある)
 この場合、魔法使いに用意された多彩な攻撃呪文は、全部選択肢から外れてしまう。
 これが「面白くない」バランスだ。

 これに対して、実際のドラクエⅢ(FC版ね)はというと、2つ前の記事で見たように、同レベル帯の戦士の攻撃の2倍程度の威力を持った攻撃呪文が使えるようになっている。
 (単体呪文に限らず、最新の呪文を適切に活用すれば、その程度の価値はある威力の攻撃魔法ばかりだ)
 するとどうなるか。
 バイキルトは、魔法使いが攻撃呪文を使った場合と比較すると、戦士が2回攻撃した段階で「元が取れる」強さということになる。
 1ターン目に少しでも早く大ダメージを与えて敵の数を減らしたいような状況では、バイキルトではなく単純にダメージを与える呪文を選択することになるだろう。
 そしてこのドラクエⅢというゲーム、実はボス戦の数は驚くほど少なく、ゲームのメインは通常戦闘なのだ。
 通常戦闘であれば、大抵の場合、「少しでも早く大ダメージを与えて敵の数を減らしたい状況」に相当する。
 そして後半のボスは「いてつくはどう」でバイキルト(やスクルト)の効果を潰しにかかってくる。

 これは、バイキルトという1つの中級呪文がでしゃばり過ぎずに、かつ引っ込みすぎない絶妙のバランスだと思う。
 そしてこのバランスは、戦士の攻撃の威力や、魔法使いの攻撃呪文の威力がちょっと──例えば50%ぐらい──動くだけで、本来の想定から大幅に狂ってしまう。何とも綱渡りな話だ。

 だから、例えば「補助魔法の効果を際立たせるために、攻撃魔法の威力は低めに抑えてある」なんてのは、バランス調整の仕方としては大変微妙だと思う。
 状況に応じて、どちらも脚光を浴びうるようなバランスが、一番いいのではないだろうか。

 ついでに言えば、TRPGの場合、「攻撃系魔法使い」というイメージのクラス(技能)ならば、8割方の状況でダメージ魔法を使用するのが有利になるようにバランスが組まれるべきだし。
 逆に「補助系魔法使い」というイメージのクラス(技能)ならば、8割方の状況で補助魔法を使用するのが有利になるようにバランスが組まれるべきだと思う。


 まあ、だからっつって、プレイヤーやるにもGMやるにもあんまり関係ない話なんだけどね(´∇`)
 ただの見解。
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by ikapon24 | 2010-12-21 15:06 | TRPG論考