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随想。あるいは道に迷った思考。

[TRPG論考]2d6の命中率考察

 ソードワールドやアリアンロッド、SRSシステムなど、基本行為判定に2d6の上方ロールを採用しているTRPGシステムは多い。
 この確率分布やら何やらにもう数年に渡って想いを巡らせ続けているので、これまで考えてきたことをここらでちょっとばかり出力してみたいと思う。

 まあ、ある程度数字が分かる人にとっては、常識みたいなことではあるかもしれないけど。
 そして人によっては実にくだらない、どーでもいいような話と感じるような内容でもあるだろう。


■2d6の1点はとってもデリケート
 2d6の判定システムにおいて、命中力や回避力の値が1点上下することは、かなり大きな効果を及ぼす。
 多くの2d6システムは、キャラクターの命中力や回避力の値が上下することの効果の大きさに対して、無頓着すぎると思う。

 モンスターの攻撃に対し、2d6を振って7以上が出たら回避できるとしたならば、この攻撃の命中率は15/36=約42%である。
 ここでもし、キャラクターの回避力がこれよりも1点高く、2d6で6以上が出たら回避できるならば、この攻撃の命中率は10/36=約27%となる。

 被命中率が15/36→10/36になるということは、大きな目で見れば、総合的な被ダメージが(10/36)÷(15/36)=約67%となることに等しい。
 回避力がたった1点だけ上がることによって、実に33%もの被ダメージ削減が実現されているのである。
 (アナログゲームではないが)世界樹の迷宮のスキル効果などと見比べれば、この軽減率がいかに凄まじいものであるかが分かるだろう。パリィ5レベル18%とか。
 
 さらに気をつけなければならないのは、同じ1点の差でも、元々の命中率が低い場合はさらに劇的な効果になってしまうということである。
 例えば、出目4以上回避が、出目3以上回避に変化した場合、命中率は3/36→1/36で、元の値の1/3(33%)にまで激減してしまう。被弾率67%カットである。

 一方、同じ1点の差でも、元々の命中率が高い場合は、それほど大きな差にはならない
 6ゾロのみ回避が11以上回避になったところで、命中率は35/36→33/36=約94%に減少する(被弾率6%カット)にとどまるのである。

 2d6を用いた行為判定ルールで、命中力や回避力の値にある程度の幅を持たせたければ、ゲームシステムが想定する基本的な命中率を高めに設定しておくのがセオリーと言えるだろう。
 回避力に比べて、命中力が若干高めの値になるように、装備の修正値やスキルなどを設定するわけだ。
 ただし、高くしすぎても命中判定や回避判定でダイスを振る意味や楽しさがなくなってしまうので、程よいバランスを見極めることが重要だと思われる。


■対決の場合は4d6に相当
 上記はソードワールドでモンスターが固定値を使用したり、SRSでエニーセブンを使用するなどで、モンスター側がダイスを振らない場合の確率分布を前提とした話である。
 モンスター側もダイスを振る場合、その確率分布は(2d6ではなく)4d6のそれにほぼ等しくなり、固定値を使用するときと比べて、命中力・回避力が1点上下することによる命中率の変化率が幾分か軽減される
 ソードワールドで命中力と回避力が同値の状態から回避力が1点上昇した場合を考えると、固定値を使用する場合は上記したように命中率33%カットであるが、固定値を使用せず2d6の振り合いとなる場合は、55.5%→44.4%、44.4÷55.5=0.8で、約20%の命中率カットに留まる。
 それでもかなり大きな数値変化であることには変わりないが、固定値を使用する場合と比べれば、随分マシな変動率になると言える。
 (なお、4d6にほぼ等しいの「ほぼ」は、自動失敗と自動成功の分だけ確率分布が崩れるためである)


■ベストバランスは?
 以下は僕の主観になるが、ソードワールドやアリアンロッド、SRSなどのように「同値は防御側勝利」を前提とするなら、ごく平均的なキャラクターで、命中力が回避力よりも2点高くなる程度に武器や防具の修正値を設定し(同キャラ対戦で命中率70%程度)、キャラクター作成の仕方によって±3程度までの幅を許容するのがベストラインかと思う。
 モンスターも同様に命中力が回避力より+2程度高い値をベースとし、雑魚モンスターなら平均的なキャラクターより1点ずつ低く、ボスモンスターならキャラクターより1点ずつ高くなる程度の値に設定、モンスターの個性によってそれぞれに±1程度の上下をつける。

 最大に回避特化でキャラクターを作って、平均的な雑魚モンスターの攻撃が5以下で命中するぐらいの感じ。
 これでも回避力特化のキャラクターは平均的なキャラクターと比べて実に1/2程度の被弾率になってしまう計算だが、高回避力は高防御力と比べて結果が安定しないことなども考慮すれば、このぐらいは許容範囲内だろうと思う。
 まあ、その高回避力を得るためにどれだけの能力をトレードオフで失わなければならないかだとか、回避力で対応できない攻撃がどの程度の割合で存在するかとかにもよるので、一概に言える話ではないのだけど。

 なお、高レベルになって取得スキル数が増えたりすると、どうしても命中力・回避力の幅も大きくならざるをえないかもしれない。
 その場合は命中率のベースをより上にずらすなり、アリアンロッドのようにダイス数を増やすなりして許容できる数値の幅を幾分かでも増やすのが妥当な策……だろうか。
 個人的には、命中率の下限として25~30%程度という成功率は、どれだけ高レベルになっても保たれているのが望ましいと思う。
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by ikapon24 | 2010-04-28 22:44 | TRPG論考